カーシェアリングとは、特定の自動車を、利用登録をした複数の会員で共有(シェア)する、新しいスタイルの利用方法です。カーシェアステーションと呼ばれるコインパーキング等の一画に配置されたシェアカー(カーシェア車両)を、それぞれの会員がWebサイトやアプリ経由で検索し、車の予約枠に空きがあれば先着順で利用できるサービスです。ちなみに、カーシェアサービスを利用するうえで「カーシェアリング」と「カーシェア」という言葉は、同じ意味という認識で問題ありません。
カーシェアリングでは、レンタカーサービスのように利用する度に営業所へ行ったり、スタッフによる対面案内を受けることはありません。
カードキーの役割を果たす会員証(ICカード)を車のガラス面に設置されたカードリーダーにかざしたり、スマートフォンの専用アプリを操作したりするだけでドアロックを解除し、乗車することができます。他人を気にせず、24時間気軽に利用できることはカーシェアリングの魅力のひとつです。
近年では「免許を取ってもマイカーを所有しない」というライフスタイルも珍しくなくなりました。カーシェアサービスのキャンペーンや割引特典などを利用しながら、計画的にカーシェアライフを楽しまれる方も増えています。
目次
カーシェアリングの種類・形態
カーシェアリングは、大きく分けると「レンタカー型カーシェアリング(BtoC)」と「提携型カーシェアリング(業務提携)」、「個人間カーシェアリング(CtoC)」に分けられます。
レンタカー型カーシェアリング
「レンタカー型カーシェアリング」とは、カーシェア事業者が所有する車両を登録会員に貸し出す、レンタカーに属するサービスの一つです。この言葉は国土交通省などの行政機関が使用する形式的な名称です。コインパーキングなどに配備されている、いわゆる「カーシェアリング」のことで、広義ではレンタカーにあたりますが、一般的なレンタカーサービスとは異なります。現在、一般的に「カーシェア/カーシェアリング」と言うと、この「レンタカー型カーシェアリング」と「提携型カーシェアリング」を指している事が多いです。
レンタカー型カーシェアリングにはタイムズカー(旧:タイムズカーシェア)、三井のカーシェアーズ(旧:カレコ・カーシェアリングクラブ)、オリックスカーシェア、cariteco(カリテコ)、Nissan e-シェアモビ、TOYOTA SHARE(トヨタシェア)、Honda EveryGo(ホンダエブリゴー)、earthcar(アースカー)などのサービスがあります。
提携型カーシェアリング
提携型カーシェアリングには、dカーシェアや楽天カーシェアなどがあります。提携型について詳しくは下記をご覧ください。
個人間カーシェアリング
個人間カーシェアリングとは、個人の所有する自家用車を「他の個人」と共同使用すること、またはその共同使用契約の交渉をマッチング・支援するサービスを言います。Anyca(エニカ)などがあります。
カーシェアのメリット・デメリット
マイカー所有と比較したカーシェアのメリット
カーシェアを利用して得られる最大のメリットとして、車にかかる費用負担が大幅に軽減できる点が挙げられます。マイカーを所有する場合、購入費や維持費・ガソリン代・月々の駐車場代等は全て個人負担になってしまいますが、カーシェアであれば、利用者(会員)全員で分担できるため、1人あたりの負担がとても軽くなります。基本的に使用した時間、使用した距離に応じた必要最小限の利用料を支払えばよいので、経済的で便利なサービスと言えるでしょう。
マイカー所有と比較したカーシェアのメリット・デメリットの詳細は、下記のリンクからご覧ください。
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マイカーと比較したカーシェアのメリット&デメリット
マイカーを所有した場合と、カーシェアを利用した場合、それぞれのメリット・デメリットをリストアップしました。マイカー購入時、あるいはマイカーを手放す時にカーシェア入会を検討されている方は参考にしてください。
レンタカー利用と比較したカーシェアのメリット
カーシェアとレンタカーは似たようなサービスですが、カーシェアは10分単位、あるいは15分単位という短時間から借りることができます。まとまった時間での予約が必要なレンタカーより、利用料金を安く抑えられる点が大きなメリットです。また、カーシェアは「普段使い(繰り返し利用)」にも適しています。近くの駐車場から24時間スタッフを介さずに利用できるので「思い立ったら利用」「天候によって利用」「予定が変わったので利用」など、日常生活のさまざまな場面で臨機応変に対応できます。
カーシェア会社もレンタカー会社もそれぞれの良いところを自社サービスに取り入れています。カーシェアとレンタカー双方を運営している会社では、カーシェアサービスとして一本化していく傾向も見られます。
レンタカー利用と比較したカーシェアのメリット・デメリットの詳細は、下記のリンクからご覧ください。
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レンタカーと比較したカーシェアのメリット&デメリット
カーシェアはレンタカーを借りるよりお得なのか、利用しやすいのか?レンタカーを借りた場合に対して、カーシェアを利用した場合のメリット・デメリットをリストアップしました。
カーシェア入会を検討中の方へ
カーシェアが人気の理由
気軽に利用できる
入会はWEB完結!24時間365日専用アプリから予約可能!あとは駐車場からクルマに乗るだけ!
無駄がなくて経済的
ガソリン代・保険料込み!車検も不要!みんなでシェアするから料金は使った分だけ!
好きな車に乗れる
人気のSUVから外車、高級車まで、電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)等いろんなクルマが導入されています!
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コストもシェアして経済的!カーシェア料金に含まれる車の維持費11項目
このページではマイカーを保有する為にかかる費用を11項目リストアップしています。マイカーにかかる一般的なコストを知る事で、カーシェアならどれだけ節約できるのか、逆にどれだけカーシェアにお金を使えるのかイメージする事ができます。カーシェアリングの利用料金は、車の維持管理にかかる費用を全て含んだ料金設定になっています。
こんな時におすすめ
毎回短時間の利用なので、レンタカーでは高額すぎる…
クルマに乗る予定は月に数回、マイカー購入はちょっと…
車検・任意保険・ガソリン・月極駐車場… 高額維持費をカーシェアで節約したい。
観光地をクルマで回りたいので、旅行の時だけ使いたい。
小さな子がいるので、混雑している電車やバスには乗りたくない。
知識も無いし時間もかかる… 修理やメンテナンスは全ておまかせしたい。
マイカーを買う前にいろんなメーカーの車に試乗してみたい。
たまには運転しないと…ペーパードライバーにはなりたくない。
ウイルス感染症が心配なので、お出掛けにはクルマを使いたい。
高額維持費のマイカー売却で、厳しい家計を見直したい。
カーシェアリング大手の車両台数/ステーション数/会員数
日本でのカーシェアリングサービスの歴史は2002年から始まります。カーシェアリングの業界大手と言えば、タイムズカー(旧タイムズカーシェア)、三井のカーシェアーズ(旧カレコ)、オリックスカーシェアのBIG3時代(あるいはBIG1+2時代)が長く、コロナ禍前までの10年くらいで特に大きく成長しました。
コロナ禍では業界全体が不振・停滞を余儀なくされたものの、昨今、大手事業者から、再び成長・拡大に向けた動きが感じられます。ここ数年では、トヨタシェアがカーシェアとしての設置車両を大幅に増やしたり、三井のカーシェアーズが名称変更のリブランディングとともに拡大路線を掲げました。
タイムズカー | 三井のカーシェアーズ | |
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車両台数 | 45,468 | 7,560 |
(前年) | (38,224) | (6,371) |
ステーション数 | 17,629 | 4,392 |
(前年) | (14,728) | (3,672) |
会員数 | 2,648,107 | 503,638 |
(前年) | (2,149,438) | (410,088) |
オリックス | トヨタシェア | |
---|---|---|
車両台数 | 2,572 | 2,729 |
(前年) | (2,562) | (2,168) |
ステーション数 | 1,630 | 1,508 |
(前年) | (1,633) | (1,156) |
会員数 | 419,459 | 113,289 |
(前年) | (387,974) | (43,525) |
公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団による2024年3月の調査では、わが国のカーシェアリングのためのデポジット数は26,797箇所(前年比17.6%増)、貸渡車両数は67,199両(同19.6%増)、会員数は4,695,761人(同50.0%増)と、引き続き増加しています。
出典:公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団(2024年3月一斉調査版) https://www.ecomo.or.jp/environment/carshare/carshare_graph2024.3.html
タイムズカーのステーション
ステーション比較 | 設置数 | 東京都内設置数 |
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タイムズカー | 17,629 | 5,625 |
最大手のタイムズカーは、タイムズパーキングという時間貸駐車場を全国に展開していたので、その一部の駐車枠をカーシェアステーションとして振り分けることで業態転換が進み、カーシェア市場で急成長しました。
タイムズカーは全国47都道府県に展開しておりステーション数も多いため、主要都市部以外では「私の生活圏内にはタイムズ以外のステーションはありません。」といったケースも珍しくありません。
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カーシェアリングのタイムズカー(旧:タイムズカーシェア)
タイムズのカーシェアリングサービス「タイムズカー」!料金や使い方、場所、メリットを分かりやすくご説明。法人、学生なら月額基本料金は無料。旧タイムズカーシェア
share.timescar.jp
三井のカーシェアーズのステーション
ステーション比較 | 設置数 | 東京都内設置数 |
---|---|---|
三井のカーシェアーズ | 4,392 | 2,763 |
三井のカーシェアーズは東京23区内や神奈川県、大阪府などの都市部に数多くのステーションを有しています。運営会社は「三井のリハウス」でもおなじみの三井不動産リアルティ株式会社で、全国展開している時間貸駐車場「三井のリパーク」を中心にステーションの設置が進められています。三井のカーシェアーズのステーションのうち三井のリパークに設置されたステーションには、カーシェア車両がとめてあった車室内に乗ってきた自転車(1台)を駐輪することができます。これは利用できるステーションの選択範囲が少し広げられる便利なサービスで、他社のステーションではあまり見られません。
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三井のカーシェアーズ | 三井のリパークでカーシェア
カーシェアなら三井のカーシェアーズ。首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)と関西(大阪・京都)の三井のリパークを中心に、24時間いつでも30分からクルマがご利用可能です。ガソリン代・保険料...
www.carshares.jp
オリックスカーシェアのステーション
ステーション比較 | 設置数 | 東京都内設置数 |
---|---|---|
オリックス | 1,630 | 923 |
オリックス自動車のカーシェア事業「オリックスカーシェア」は、2002年に日本で初めてカーシェアリングを事業化して以来、各地の駐車場運営事業者と契約を結びながら、首都圏・中部圏・近畿圏・東北・沖縄を中心に展開してきました。オリックスカーシェアは、同社のオリックスレンタカー店舗へカーシェアステーションの併設を進めるなどして、今後は全国エリアへの展開を目指しています。
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